隆鼻術

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鼻筋を通すと、整った顔立ちに見えたり、お顔の印象がシャープに見える効果も期待できます。
低い鼻や鼻筋が通っていないのが悩みの場合には、隆鼻術(りゅうびじゅつAugmentation Rhinoplasty)が適しています。これはもっともポピュラーな鼻の手術です。隆鼻術では、鼻筋の高さを出すための材料が必要になります。
 

隆鼻術の材料

1. 人工物・・・シリコンプロテーゼ、ゴアテックス、ヒアルロン酸
2. 自家組織・・・鼻中隔軟骨、耳軟骨、肋軟骨、筋膜、真皮(しんぴ)、骨
 

■シリコンプロテーゼ

シリコンプロテーゼには従来からI型(ボート型)とL型が知られています。L型のシリコンプロテーゼを曲がり角の所で切り落とし、形を整えたものがI型になります。L型とI型との違いは、鼻尖部と鼻柱部にプロテーゼがあるかないかです。
 

L型プロテーゼ

I 型プロテーゼ



 シリコンプロテーゼは、希望する鼻の高さ、形に合わせて細工します。
この場合、極端に鼻を高くするのはプロテーゼの形が出てしまい、いかにも整形した鼻になるので好ましくありません。全体のバランスを考え、自然な感じで高くするのです。鼻の穴の入り口近くを少し切開し、鼻骨の骨膜下にプロテーゼを挿入します。
一昔前は、L型のシリコンプロテーゼがよく使用されていましたが、これですと鼻尖部の軟骨が圧排変形し、プロテーゼの周囲にできた皮膜(ひまく)が縮む現象である被膜拘縮がおき、鼻筋が短かくなり鼻の穴が上向きになったり(短鼻といいます)、鼻尖部の皮膚が薄くなりプロテーゼが突出したり、穿孔(せんこう、とび出すこと)したりする欠点があります。欠点などの合併症が発生した場合、プロテーゼ抜去術を行う必要があります。またプロテーゼが偏位し、鼻筋が左右非対称になる欠点もあります。
 
また鼻先を動かすと反対側の方向にシリコンプロテーゼが移動する奇異移動があります。

鼻先の2峰性と1峰性

 さらに、鼻先は2峰性なのが自然ですが、
大きいプロテーゼを鼻先に入れると1峰性になってしまいます。
 
バード型(Bird)プロテーゼ
 
I型とL型の中間のバード型(Bird)もよく利用されるシリコンインプラントです。
 

■シリコンプロテーゼによる隆鼻術と耳軟骨による鼻尖軟骨移植術

他院で、ヒアルロン酸注射によるプチ整形を受けられましたが、太い鼻筋になってしまいました。
今回当院で、ヒアルロン酸を溶解し、I型シリコンプロテーゼによる隆鼻術と耳軟骨による鼻尖軟骨移植術を受けられました。

■ヒアルロン酸

ヒアルロン酸を鼻筋に注射し、隆鼻をします。鼻のプチ整形としてよく知られた方法です。このモニターの方は、ヒアルロン酸注射によるプチ整形で少し鼻筋を整えられました。二重まぶたの埋没法も受けられました。鼻筋にはヒアルロン酸はよく適合しますが、鼻尖には不向きです。またヒアルロン酸は半年か一年で吸収されてしまう欠点があります。ごくまれな重大な副作用として、鼻の皮膚壊死(鼻の一部が腐ってしまう)や炎症性肉芽腫(赤い皮膚のミミズ様の盛り上がり)を起こす危険性もありますので注意が必要です。
ヒアルロン酸注射は、副作用が生じたりヒアルロン酸を消したい場合、ヒアルロン酸溶解注射が利用できることも長所です。
当院のヒアルロン酸注射については、著書「患者満足度ベストを目指す非手術・低侵襲美容外科, 高柳進編, 南江堂, 東京, 2016」 pp 104-109に「鼻ヒアルロン酸注入法」と題して掲載されています。
 

■自家組織

自家組織としては、軟骨(鼻中隔軟骨、耳軟骨、肋軟骨)、筋膜(側頭、大腿)、真皮(脇、お尻)、骨(腸骨、頭蓋骨、肋骨)が利用できます。しかし、骨(ほね)は、硬すぎて不自然なので美容外科で使われることはありません。主として軟骨や筋膜がよく選択されています。時には皮膚の真皮(しんぴ)移植が選ばれることがあります。真皮移植は吸収されやすく、あまり高さを出すことはできません。また皮脂(ひし)や毛が生じる副作用がまれに起こります。
 
局所麻酔で行うことができる自家組織による隆鼻術としては、真皮移植術、筋膜移植術、細片軟骨筋膜移植術があります。細片軟骨筋膜移植術は耳軟骨を細かくさいの目状に切り砕き、側頭部の筋膜に包んで合体移植する方法です。米国のDanielがその有効性について実証しています。
 
当院では、細片軟骨筋膜移植術をさらに発展させた複合自家組織隆鼻術を行っています。複合自家組織隆鼻術は、ボート型肋軟骨に筋膜を巻きつけ、その筋膜の袋の中に細片軟骨を注射器により充填させて作ります。手間と時間を要する繊細な手術です。出来上がった複合自家組織移植片の筋膜包み細片軟骨は曲げることもできますので本来の鼻の構造に近い隆鼻材料といえます。
 
この方法の詳細については、米国の顔面形成外科専門誌Facial Plast Surg (35: 58-64, 2019. A new technique for augmentation rhinoplasty using hybrid autologous grafts with septal extension grafts in Asian patients) と、日本美容外科学会の専門誌(日本美容外科学会会報 33:151-161,2011.鼻中隔延長術を併用した自家組織による隆鼻術)に掲載されました。複合自家組織隆鼻術と鼻中隔延長術を組み合わせた術式が複合自家組織隆鼻延長術です。


日本美容外科学会会報

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複合自家組織隆鼻術

 
 

隆鼻術のアフターケア


顔の腫れは2週間です。
 
手術後7日間のギプス固定 手術後は7日間ギプス固定をします。
鼻内には1日間ガーゼを詰めます。
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